自分のミスでも過ちを認めない。他者の意見の否定から始まり、自身の意見に固執する。他者の問題点はあげつらうが、自身の課題は識別できない。皆さんは、頭の痛いベトナム人材に気力や期待を削がれた経験はありませんでしょうか?他のベトナム人も閉口するこうした問題人材は、職場の雰囲気を荒らす、人材経営の落とし穴ともなりえます。
自分のミスでも過ちを認めない。他者の意見の否定から始まり、自身の意見に固執する。他者の問題点はあげつらうが、自身の課題は識別できない。皆さんは、頭の痛いベトナム人材に気力や期待を削がれた経験はありませんでしょうか?他のベトナム人も閉口するこうした問題人材は、職場の雰囲気を荒らす、人材経営の落とし穴ともなりえます。
- ベトナム人が3人で穴に落ちると助からない?
「インド人を黙らせ、日本人に喋らせるのが有能な国際会議の議長」。日本でも日本人材の特徴を揶揄するジョークがありますが、ベトナム人を揶揄する冗談も飲み会の席などでベトナム人より良く聞かれます。「ベトナム人は1人で落とし穴に落ちれば助かるが、3人で落ちると助からない(足を引っ張りあうため)」「日本人は言った通りに行動し、中国人は言わずに行動し、ベトナム人は言ったことと違う行動をする」などなど。
2009年にTien Phong紙がベトナム人の反省すべき特徴に関する投稿をまとめた冊子(Người Việt – Phẩm chất và thói hư tật xấu)を発行していますが、日本人が閉口するようなベトナム人材の特徴には、ベトナム人も頭を痛めている様子がわかります。
<典型的なベトナム人の悪い習慣>
▪ 辛抱が足りない、駄目だと思うとすぐあきらめる |
▪ 面子を保つために他者を批判する |
▪ 感情的になりやすい |
▪ 決めごとの上げ足を取り、悪知恵を働かす |
▪ 利己的、自分中心 |
▪ 本当に困らないと助け合わない |
▪ 根拠のない自信を持つ |
▪ 浅薄な理解でわかったつもりになる |
▪ 他者の気持ちがわからない |
▪ 自分は努力せず、他人の努力にすがる |
- 頭の痛い、孤立志向と形式志向の強いベトナム人材
震災の際にも配給の列を乱さない日本人は、世界から賞賛されるところでもありますが、恥の文化とも言われるように他人に迷惑をかけることを極端に嫌い、和を貴ぶ、世界でも独特の民族と言えましょう。
日本と同様なおもてなし精神をベトナムを含めて他国人材に求めるのは無理のあるところ、日本的経営の価値観は共有したいところですが、日本人とは異なるとの前提でベトナム人材を見極めていく必要はあります。
弊社では、「従業員意向調査」と題して、各社ベトナム人材のベトナムに伝統的な思考傾向の強弱を図る診断サービスを行っています。40の設問に回答する形式での診断ですが、概ね日本人材は全体志向・目的志向が高く、一方で4割程度のベトナム人材は孤立志向と形式志向が強い結果が出ます。
概ね各社共通してベトナム人材の大半が志向するのが、「自身の専門に沿った仕事がしたい」「各人の机を離し、自身の仕事に集中できるようにした方が良い」「関係者・部署との協働に向けては互いの役割を細分化・明確にすべき」といった孤立志向・形式志向の回答でしょうか。自身のすべきことを明確化し、他者とかかわらずとも仕事ができる環境を好む傾向がうかがえます。特にこうした傾向の強い人材は、他者が自身に意見すること・かかわることを極端に嫌い、規定に従って白黒つけるのを好み、自身を守るために他者を批判する行動をとることがあり、他のベトナム人材にとっても接しにくい存在となります。
- 契約や相手先の名声を当てにせず、人を見極めて付き合いを決めるのが肝要
ベトナム国営現行にある筆者の口座にインターネット決済機能を付加しようとしたところ、ある担当者は「外国人は登録できない」と言い、他の担当者は「できる」と言い、ベトナム流の仕事の仕方の縮図を見た気がしました。
「できる」という担当者の下で手続きを行い事なきを得ましたが、「できない」と言った担当者は自身の判断を確認するでもなく、「できる」と言った担当者は「できない」と言った担当者に説明することもありません。
契約を結んでもその場の都合で異なる解釈・条項の無視をする人もいます。役所の担当などは選びようもありませんが、従業員は採用時に選定することができます。取引先や事務所選びなども書面や会社概要等のみで判断するのではなく、担当者の人となりを見極めて付き合いを決めることが肝要です。
昨年は筆者は初めてひったくりにも会いましたが、筆者を襲ったのはベトナム人、しかしけがをした筆者を手当てしてくれたアパートの大家さんもベトナム人。頭を痛めつつも、ベトナム人の助けを得ずにはベトナムで商売はできず、また頼もしいベトナム人材に勇気づけられることも多くあります。
どの国にも人の良し悪しはありますが、価値観を共有できる人材を見極めて、ともに仕事がしたものです。